悪の教典上・下 貴志佑介

悪の教典 上

悪の教典 上

悪の教典 下

悪の教典 下

淡々と悪事をこなしていく主人公に、敵役となるかと思われた生徒も教師も次々に倒されていく。伏線もこんなところに、という見事さ。サイコパスは、実際、想像以上に多いという話もあるが、犯罪は割に合わないという理由だけでおさまっていてくれているのであれば、割に合わないことを警察・司法当局は見せなければならない、のだが。今ひとつわからないし、主人公の上を行った外資系の底知れなさも不気味と言えば不気味だ。学校という閉じた狭い社会での教師たちの生態もおもしろく読めた。しかし、すごい本だ。