子供の名前が危ない 牧野恭仁雄

子供の名前が危ない (ベスト新書)

子供の名前が危ない (ベスト新書)

珍奇な名前を付けるのは、親の無力感の裏返しだそうだ。著者は、名前は平易に「電話で字の説明ができるような」ものでないと、社会生活が不便となり、子どもを不幸にすると説く。そして全体的な名前の傾向として、社会が「飢えて」いるものが選ばれると。敗色濃厚な時期は「勝」、食糧不足は「豊」「稔」、バブル期は「愛」など。現在は、自然にちなんだ名前や「大」「優」など。そして、個々の名前では、親の希望が籠められているか後ろめたさで付けられているかで、無意識下の動きとしてマイナスの作用として働くと。個性とは正反対の、周囲を気にする無力感が唯一「自由」となる名付けに向かっていると。