ラブレス 桜木紫乃

ラブレス

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切ない。ひどい親のもとで育った二人の姉妹。「居場所」を探すそれぞれの生き方。姉の生涯に、妹の別方向に進もうという生き方が交差しつつ、物語が展開していく。二人の「従姉妹」の描き方が、いまひとつか。親に対する悔恨とかあるはずなのだが、小夜子と理恵からは伝わってこない。終盤、かつての夫からの、「父」からの告白はややカタルシスだが。