中国と茶碗と日本と 彭丹

中国と 茶碗と 日本と

中国と 茶碗と 日本と

日本の国宝の茶碗は中国由来のものが多く、しかも原産国の中国には伝わらないものも。その違いと根底に通じるものとは。中国の飲茶法により、青磁から黒っぽい天目へと変化し、それを後追いの様に日本へ入ってくる。曜変は、窯変、すなわち天からの警告であり天子にとってあってはならないこと。ただちに壊されてしまったのだが、免れて日本へ。「五良大甫呉祥瑞造」の銘について、著者は、小堀遠州が景徳鎮に発注した茶碗の「写し」模倣品と推測した。中国製とすると無理があり、伊万里での製陶技術が上がり、一方で、江戸時代が中国趣味の時代であったことなどからだ。