日本農業への正しい絶望法 神門善久

日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)

日本農業への正しい絶望法 (新潮新書)

日本農業の本来の強みは、「名人」と著者が表現している人たちに代表される技術集約型農業にあった。しかし、農地の利用規制の緩さという「川上」問題と、消費者の下の劣化という「川下」問題で、崩壊している、というもの。農地の利用規制問題は都市部の不動産利用の問題にも通じ、責任を重視する参加型民主主義の不在を強く指摘している。そして、農業へのノスタルジーや、「攻め」とか根拠なき国産農産物高品質信仰など、都合のいいことしかみようとしない識者・マスコミを、「満州」にたとえて、厳しく批判している。