領土問題をどう解決するか 和田春樹

領土問題をどう解決するか (平凡社新書)

領土問題をどう解決するか (平凡社新書)

択捉・国後はサンフランシスコ平和条約で放棄した、というところからスタートすべきだと著者は主張する。「固有の領土」という表現は相手を刺激し、一利なし。つまり、帝政ロシアとの間の国境画定などは意味がないというところで、日ソ共同宣言を足がかりに、色丹と国後の共同開発まで持っていければ恩の字、というわけだ。そして、竹島については、明治初期の太政官布告に触れつつ、現在、朝鮮半島朝鮮民族がいてその国が存在する限り、植民地化の象徴としてとらえられているのだから返ってくることはあり得ないという現実的な視点に立つべきと主張している。