クライシス・キャラバン リンダ・ボルマン

クライシス・キャラバン―紛争地における人道援助の真実

クライシス・キャラバン―紛争地における人道援助の真実

援助が結局、紛争当事者の懐に入りかえって紛争を長引かせたり、難民キャンプに入り込んだ虐殺の当事者に再編成の機会を与えたり(ゴマ)、現地の活動をフイにしてアメリカに子どもを連れ去ったり(シエラレオネ)、多くの援助機関が群がって現地の政府や武装勢力の言い値で活動したりと。人道的援助の裏側とその難しさが説得力を持って指摘されている。もちろん、ではやめてしまえばいい、というわけではなく、とにかく、冷静に質していく姿勢が必要だ、ということなのだ。