2014-03-29 ヴィクラム・ラルの狭間の世界 M.G.ヴァッサンジ 読んだ本 ヴィクラム・ラルの狭間の世界作者: M.G.ヴァッサンジ,小沢自然出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/01/31メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見るこれぞ大河小説。ケニアのインド人少年が、独立・腐敗のなか、詐欺師として悪名を高め、亡き親友の息子を救うために帰国して、おそらく殺される。淡々とした語り口の中、黒人への差別が独立後はインド人への差別に代わり、それが大統領との個人的な関係で救済されるなどのエピソードが語られる。親友が、妹の夫の協力で殺されるというくだりも、その醒めた語り口が効果的だ。インドのお菓子の描写も魅力的。あまどろしい。