潜伏キリシタン 大橋幸泰

潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆 (講談社選書メチエ)

潜伏キリシタン 江戸時代の禁教政策と民衆 (講談社選書メチエ)

「切支丹」は島原の乱の記憶から、おぞましいものとしてイメージが貧困化されたことが、潜伏を可能にした面があった。取り締まる側も、「異宗」として処理し、信者の側も「仁政」が保障され、村請による現世利益が得られるのであれば、信者としての属性の上に、百姓としての属性が優先される。四番崩れは、村の崩壊という背景(農地が永久に失われるというおそれ)に宣教師の来日という刺激が加わって起きたのでは、と。