▽「十一 京都帰任」。「道理の舟は沈没し、非道の舟が平安に淀の津に。人はことさら正直であってもしょうがない」。「匡房の内部にひそむ不可解なもの」と表現。▽「十二 都督再任」。
堀河天皇の死。当日、関白忠実の求めに対し筮を拒否、食事を多く摂ったとの話に「死が近い。周りの鬼たちが欲しがる」と、呪術師的傾向。▽「十三 江大府卿その死」。天仁3年6月、
平正盛の
六波羅堂供養願文をつくる。「弟子、才気の万人に敵することなしといへども、猶し智勇の五代に伝へたるあり」。べた褒め。
白河院と師実の
北政所源麗子の長寿延命を祈ったもの。