日本古代王権と唐物交易 皆川雅樹

日本古代王権と唐物交易

日本古代王権と唐物交易

「九〜十一世紀における陸奥の金と『唐物』」。交易相手が新羅海商から中国系海商に代わってきたことから、綿から金へと決済手段が移っていく。海商側は、東南アジアなどから香木などを輸入する際に金を必要とし日本やベトナムなどに求める。日本側は、先買いのために国内で流通していなかった金を基準にすることに意味があった。金を摂関系が多くを占めた蔵人所・内蔵寮が関わって海商から先買いする、そうした仕組みが成り立っていた。