検非違使を中心としたる平安時代の警察状態 谷森饒男

検非違使は、律令が警察に関する規定が不十分なことから実際の要請によって生まれ、摂関家に便利使いされたがその万能性が逆に非効率で、盗賊は捕らえられず、一種の世論の表明である放火は失火や天災として処理し、地方の叛乱には役立たず、武士が警察権を掌握することとなり、武士の天下へとなっていった、と。