地方官人たちの古代史 中村順昭

国司が国の大小によって介などから減らしていったのに対し、郡は小さくなっても大領と少領の組み合わせは下郡まで変わらない。二つの豪族の支配地域を組み合わせてつくられたのだ。国造クラスは支配地域が大きかったから大きな郡となり、伴造や稲置クラスは小さかったから小さな郡となったと。実際の地方行政を担っていた郡司だが、郡雑人などの中小豪族の力が大きかった。国司の力が増してくるとうまみがなくなって郡司の成り手もいなくなり、国書生などとして国衙のもとで再編成されていく。