承久の乱と後鳥羽院 関幸彦

承久の乱と後鳥羽院 (敗者の日本史)

承久の乱と後鳥羽院 (敗者の日本史)

「至尊」対「至強」の対決。実朝を通じて幕府を包摂しようとした後鳥羽院だが、実朝暗殺で、武力討伐に。御家人と西面など兼参が当たり前だった習いに、いわば踏み絵を迫る幕府。在京御家人や西国守護にとって、京方に付くことはさほどの抵抗感はなかったのだろう。「本領安堵」がままならなかった当時に戻るのか、と、義時打倒をやや強引にすり替えて訴えた幕府方の主張が、守るべきものができた武士たちの心をとらえた。京方は、武力の結集において劣ったと。