東北ショック・ドクトリン 古川美穂

東北ショック・ドクトリン

東北ショック・ドクトリン

復興を名分に、被災地に外から、経済の視点で行われる「実験」。▽「被災地の遺伝子研究」。東北メディカルバンク構想。なぜ被災地で行うのか。同意は十分に取り付けられているのか。▽「二十年前の創造的復興」。現在、生体肝移植問題が噴出している、その施設か。▽「社会実験にかけられる被災地」。震災直後に持ちあがった水産業復興特区。漁協は、本当に動きが鈍かったのか。▽「仙台空港民営化」「被災地カジノ狂騒曲」。民営化で安全は?放心状態の被災者に付けこんだかのようなカジノ構想。空港民営化協力企業との衝突。▽「イオンが被災地にやってきた」「社会的共通資本としての商店街」。でも、イオンは消費者側からは、大歓迎だろう。たしかに撤退するかもしれない。著者は大企業性悪説に立っているかのような観があるが、だとしたら少子高齢化が進む日本で流通業として生きて行く(逃げ場がない。まあ、海外もあるが)ためにどうするか、それこそ「実験」しているのかもしれない。その実験は、そうそう簡単に撤退することはできないだろう。企業の将来の死を予感させるものだから。知恵を絞るのではないか。そう、願いたい。東北や山陰での、イオンへの好感度を実感しているだけに。