占いにはまる女性と若者 板橋作美

かなり論理的に、比喩やレトリックを分析している。占いが人間の心を得る(得心)の構造を説明しようというのだろう。「わかる」は「訳」。三段謎。占いの説明に、得心してしまうのだ。そして、その比喩は社会が変わり歴史が変わり文化が変われば、たとえば紫が江戸時代は病人の鉢巻きの色でもあったのに、古代、貴重だった染料からつくられたことから高貴なオーラとか、日本では好ましい位置にいる青が、英語圏では「ブルー」とか、いい加減なものであることも。生得的社会から獲得的社会に変わったはずなのに、再生得化が進む中、外キャラと内キャラを使い分けつつある若者の「自分」に働きかけてくる、それが占い。