内大臣の研究 松田好史

内大臣の研究: 明治憲法体制と常侍輔弼

内大臣の研究: 明治憲法体制と常侍輔弼

病弱な大正天皇時代の桂・大山・松方は、元老としてか内大臣としてか区別しづらい形で調整した。続く平田も山県閥を背景に中間内閣に影響力を行使し「元老代理」として行動したが、自分の後は内大臣の廃官を希望した。牧野は、西園寺などの推薦で宮中入りした人物と「側近集団型輔弼」を行ったが、府中が政党内閣となったことから長老政治家としてではなく、内大臣の職務としての行動となる。後任の湯浅は、「常侍」輔弼となったが、宮内大臣侍従長との関係が悪く、「単独輔弼」となり木戸へと続く。