末世炎上 諸田玲子

末世炎上

末世炎上

応天門の変後三条天皇即位前の状況の類似点からの発想から生まれた作品だろうとは思うが、登場人物がいかにも薄い感じ。200年前の人物が甦るというあたりが、どうしてもリアリティーに欠ける。特に御導師が現世では何者なのか、なぜ甦ったかわからず。橘・在原・紀・伴・大江といった非藤原系の登場人物を出して来るのも、いかにも、という感じだし、後冷泉天皇の描写も型通り。唯一魅力的だったのは烏羽玉だったが、最後で台無し。