ボスニア紛争を決定付けたPR会社の動きを描いている。紛争の行方を決定付けたキャッチコピー「
民族浄化」は、原語の英語のうち、「purifying」ではなく「cleansing」を使うことで「ぞっとする」イメージをより強く持たせ、さらに
ナチスを連想させながら
ユダヤ社会の反発を招かないように直接的な比喩になっていない。
強制収容所も、
ホロコーストのような施設の存在は疑わしいが、その言葉であたかもあったように思われ(写真もかなり意図的)、存在を否定的に表現するカナダの将軍は社会的生命を絶たれ、決して民族融和といえない
ボスニア政府の実態は覆い隠されていく。PR会社の戦略は巧みで、日本の外務省の体たらくと比較すれば、目を覆わんばかりだ。