反自殺クラブ 石田衣良

「スカウトマンズ・ブルース」であらわれたように、マコトは少し大物になり過ぎた。池袋警察署にも地回りにも、ギャングボーイにも顔が利くようになっている。だんだん敵も「大物」にしなければならないわけだが、そうそう政治家だの広域暴力団だのを登場させるわけにも、というわけで、今回の敵は、玩具メーカー、ネットでの集団自殺。剥き出しの暴力から時代背景たっぷりのトラブルまで。作者の苦心がうかがえる。