いのちの初夜 北條民雄 角川文庫

表題作、さらに「癩院記録」「続癩院記録」に描かれる実態、それを踏まえての「癩家族」「望郷歌」と、絶望とそれを受けとめてなおかつ前向きに生きようとする「いのち」。そして、現在、彼らの絶望の大半が、いわば人災であったことが明らかになっている。なんということであろうか。