アースダイバー 中沢新一

アースダイバー

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一言でいえば、かつて海だった沖積層と洪積層との境、岬の位置に墓地や神社が多い、そういうところ、水と陸の出会うところや崖下から地下水が噴き出すようなところに古代の人は聖性を感じ、墓地を作り、その記憶が後に神社や寺につながった、ということ。沖積層と洪積層との色分け地図を東京の繁華街にあわせて、新宿・渋谷・六本木・浅草・銀座など思いついたことを相当こじつけ気味に語っている。東京の中心が空だ(じゃあ、江戸寺代の将軍はどうだったのか、中心が巨大な城なら大阪だって同じだろうに)、天皇がいる、森と王、と民俗学的にこねくりまわす。ここまで強引だとある意味すがすがしいし、あながち偶然・強弁ばかりとも言えないかも。金魚に関する言及など、随所に気の利いたコメントがちりばめられる。