王朝の社会 棚橋光男

大系 日本の歴史〈4〉王朝の社会 (小学館ライブラリー)

大系 日本の歴史〈4〉王朝の社会 (小学館ライブラリー)

通史というよりも、テーマごとの章立てが新鮮。「都市京都の生活空間」は、なるほど平安期は内裏も町の中にあり、田楽が宮中でも熱狂される、混在した「民主的な首都」と。『浄土の帝』が参考にしたというのは、このあたりか。「新しい法を担う人々」は、明法家を潜在的失業者と位置付け、食べていくために国衙や荘園の政所に向かったと。武士も国衙の検非違所や厩別当として下っているから、そういうところで接点や人脈が生まれることもあるかもしれない。