著者とはかつて小さな悶着があったが、まあいい。「復旧」ではだめで、新たな質と水準を加える「復興」でなければならないが、一部の先覚者を除けば行政も住民もマスコミもバカだから、復興の事例をきちんと学び啓発しておかないと、ということのようだ。
阪神大水害や戦災復興の際にきちんと
区画整理をしたところは、
阪神大震災でも被害が少なかった、ということが十分周知されていなかったから、復興計画発表当時の住民やマスコミからの袋叩きにあった、としている。函館の夜景も川越の蔵の風景も火災からの復興計画、城崎の風景も
地震からの復興計画によるものだということを地元すら十分知らないのでは、として、
郷土史教育など住民教育の重要性を主張している。
岩波新書『東京の都市計画』と重複する部分もあるが、上記のような視点は、新しく盛り込まれているように思われる。