義経を討て 童門冬二

義経を討て

どうしようもない本だ、結論から言って。時間の無駄。こんなものが出版できるのもコウメイな作家だからか。今様から後白河が義経びいきは、もちろん根拠示されず。大江広元や三善康信がリベンジ意識で京都に対抗したというのはまあ、いいとして、小説的仕立てを取りつつ、実際はただのおしゃべり。しかも、平時忠らの流罪の際の憲仁親王（高倉天皇）を後白河法皇の叔父だとか、そもそもその頃は、落飾前で上皇だったのに（こんなことをあえて書くのも、エラそうに「大行天皇」だのなんだのと用語を知ったかぶって書き散らすからデス）、校閲すらろくに行われていないようだ。美濃部都政の縁でコウメイな作家なのか。