日本のインテリジェンス機関 大森義夫

日本のインテリジェンス機関 (文春新書)

日本のインテリジェンス機関 (文春新書)

秘密に関する取締法がないから、かえって行政がなんでも秘密にしてしまい、国民が知るべき情報が隠されてしまう、というのは、説得力はあるが、ある意味危険な考えかも。昨今の個人情報保護法を機に、一気に「保秘」に狂奔する役所を見ると。お役所仕事というのは、つまり無難な方向に流れるわけだが、それは今の(昔でも?)日本ではきっかけさえあれば圧倒的に「隠す」方向に流れるだろう。ただ、通信機器の問題で日本だけ野放し、というわけにもいかない状況、というのも理解できる。なるほどねえ。仕事に誇りを持ち、歴代ガンに倒れた内調トップの使命感には、素直に頭が下がる。