皇室典範改正について

修養団などが皇室典範反対のパンフを配っていた。女系天皇に反対、女性天皇(つまり愛子内親王の即位だ)については、まだ時間が十分あるのだからじっくり検討せよと(つまり旧宮家を復活させるとか)。
彼らの論理の根本的な矛盾は、
旧宮家は男系では遠くても女系では近い、という主張は、それなら女系を排除する論理とはならないこと。
さらに、
旧宮家は皇族と親戚づきあいをしていて皇族としての品位は十分、というが、大正期の久邇宮家のような不良皇族が存在していたこと。
③女系では国民の信頼や尊敬は得られないというが、南北朝期に分かれたようなあかの他人(男系では)の一般人がいきなり皇位を継ぐことの方が、国民の信頼や尊敬が得られる、という理屈は何か。光格天皇の例が挙げられるが、そのときは宮家だったんだから。当時、女系で継がれても別に江戸時代の民衆は何も思わなかったんじゃ?宇多天皇の例が挙げられるが、現天皇(光孝)の息子だろう。源融だって「近き皇胤」という程度では即位できなかったのだから。
つまり、「文藝春秋」での三笠宮のヒゲ殿下と櫻井の対談でいみじくも主張されているように、「理屈ではない」のだ。理屈抜きで女系は嫌なのだ。だと言って、現行の皇室典範(男系男子・皇族の養子は禁止)のままでは継承者がいなくなり、改正しなくてはならない。皇室典範は、一般の法律である(知らなかったりして)。法律の改正を「理屈ではない」として片付けようとするとは、法治国家の原則すら弁えていない。空恐ろしい。だって理屈が通用しないんだもの。
さらに言えば、1000年以上続いてきた「日本民族の伝統」という言葉は、アイヌ民族や、ヤマトの天皇とは別に国王を戴いていた沖縄を排除する意味を持つことを、ヒゲ殿下や櫻井はどれだけ自覚しているのだろうか。