おやすみ、こわい夢をみないように 角田光代

おやすみ、こわい夢を見ないように

おやすみ、こわい夢を見ないように

日常生活していく上でふと抱く悪意。偶然の結果、悪意通りの結末に至ったとき、人は壊れる。あるいは、日常、悪意を抱きつづけることで悪意は折り合いを見つけ、いざ実行段階となると。うまいが、ラストの「私たちの逃亡」はどうかな。なかでの一番は、「晴れた日に犬を乗せて」だとは思うのだが。「スイート・チリソース」などは、かつて著者が全く料理をしない人だったとは想像もできない作品だ。料理ができるということが創作の幅を広げているのは確かだろう。