前段の人情噺のようなエピソード二題から、
暴力団、住宅、旅館、ゴルフ場、病院とさまざまな借り手との対峙の中段。
整理回収機構が企業再生に力を入れていることが協調されている。そして、
治外法権というオーナーや常識はずれのあの手この手のゲリラ戦術を繰り返して抵抗する借り手との闘いを描く後段。神棚の撤去に神主のお祓いが出てくるくだりは、最高だ。なにかと批判やともすればスキャンダルも出始めた
整理回収機構だが、それでも使命感に基づく職員の奮闘振りは、伝わる。著者は読売大阪本社社会部出身だが、ひょっとして黒田軍団の人だろうか。
黒田清や
大谷昭宏の書いているものとスタイルがかなり似通っているようなイヤみ、クサみを感じる。それで今ひとつ入り込めないのかも。