データの罠 田村秀

データの罠―世論はこうしてつくられる (集英社新書)

データの罠―世論はこうしてつくられる (集英社新書)

無作為抽出を徹底すればサンプル400で誤差5%、2%程度の誤差なら2500サンプルで十分だという。無作為抽出というのが言うに易く行うに難いもので、調査主体は、ついサンプル数を増やすことで対応しようとしてしまうのだろうが、かえって歪みを増すだけだ。都道府県ランキングの指標の比重や都市ランキングの行政改革度、サービス度の指標も何を選ぶかによって順位は大きく変わってしまう。日本人は英語が苦手というのによく使われるというTOEFLの比較は、母集団の性格を考えれば必ずしも悲観するものではないと。公務員の数が決して多くない、地方公務員の給与は年齢や学歴、職種を考えれば決して国家公務員や民間と比較して高くないなど、いかに議論を誘導するためにデータが使われているか、よくわかった。