階級社会 橋本健二

階級社会 (講談社選書メチエ)

階級社会 (講談社選書メチエ)

平等だと思われていた日本に実は厳然と階級が存在していることを、隅田川が階級線であること、映画「いつでも夢を』『下町の太陽』、そして梶原一騎の視線などから描く。世代間移動と世代以内移動、結果不平等と機会不平等など、混乱しやすい点をきちんと整理したうえで、マルクスが期待した労働者階層の現実から、新中間層に対し、「階級闘争」の主体となるべき覚悟を説く、というほど大げさではないのかもしれないが、そんなところ。