どれくらいの愛情 白石一文

どれくらいの愛情

どれくらいの愛情

表題作は泣けるが、「木津先生」とは。いるけどね、そういう人は。ただ、中途半端な見え方の人にしか出会ったことはない。時期的に的外れな場所を見たり、見え方に波があったり。「木津先生」の言うとおり、別に神に愛されているわけでもなく、蜂が赤外線が見えるように、見えているだけのことなのだろう。このトンデモが物語りの重要な要素を占めている以上、なんだかなあ、である。「20年後の私へ」「ダーウィンの法則」の方がぐっとくる。「たとえ真実を知っても彼は」は、ちょっと技巧が過ぎるか。