失われた町 三崎亜記

失われた町

失われた町

の記憶を消し去る、というのは、星新一白い服の男」からの発想だろうか。読んでいてい冗長と感じられる時が多く、意味不明の「身削ぎ」とか、「古奏器」とか「居留地」とか、説明なしで出てくる高射砲陣地とか、不安定な状況にあえて読者を置いておこうというあたりも、落ち着かない。前2作よりはずっといいのかもしれないし、深みも前2作とは同じ作者とは思えないほど、多少は、感じられる。