日本医療史 新村拓・編

日本医療史

日本医療史

散漫な印象ではあるが、平安時代、王朝物語で祈祷ばかり出てきて、医師がほとんど登場しないが、「湯」が薬を煎じたものであり、医療行為も行われていて、物語作者が医療よりも祈祷の方がシーンとしていいと判断したのでは、という推測はおもしろい。また占領期の本土と沖縄の米軍の医療・衛生業真の方針について、軍隊の機能を①軍事技術②兵力維持③占領行政に分け、間接統治の日本では③が、直接統治の沖縄では②に重点が置かれた(性病対策など)に過ぎず、本土・沖縄・韓国は同じ責任者のもとにあった、というのは、なるほどと思わせるものがあった。