映画篇 金城一紀

映画篇

映画篇

扉絵は、そういうことだったのか。連作の1作目「太陽がいっぱい」は正直、よさがよくわからなかったが、2作目の「ドラゴン怒りの鉄拳」あたりからよくなり、最後の「愛の泉」は大傑作と言っていい。映画は確かに見る人に感動の共通体験をもたらす。同じハコならば同じハコ、違う場所でも時間でも。ところで、すべての作品にずっと出てくるカンヌで賞をとったらしいというフランス映画は、実在するのだろうか。心ではなく、頭で作りとらえようとする映画の代表としての象徴的意味合いかも知れない。