トラや南木佳士

トラや

トラや

欝病を病んだ医師でもある小説家が、発病直後に拾った子猫に救われていく。父、伯母、後輩、病院創業者と作者の周囲から去っていく人たちが重なる。私小説は、本当に申し訳ないが、作者が不幸で、その中で苦闘する、その姿がしみじみと感動させる。