凍土の共和国 金元祚

凍土の共和国――北朝鮮幻滅紀行

凍土の共和国――北朝鮮幻滅紀行

鎖国下、将軍様が支配する北朝鮮は江戸時代の日本並みかと思っていたが、さらにひどそうだ。もっとも五人組の密告制度とか、神君を祀る東照宮とか、やはり似たようなものか。ただ、すぐ外に全く違う世界があることを知っている帰国者は、自分たちの意思で「祖国」を選んだ帰国者は、本当につらかっただろうし、後悔にさいなまれただろう。その親族を人質に取られた在日の人たちがひたすら送金し、それが専制体制を支えてしまうという悲劇。昔の本であるが、おそらく状況はさらに悪くなっているだろう。いま読んでも強いインパクトのある内容だ。