死刑 森達也

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

「死刑をめぐるロードムービー」。日本において死刑は隠されている。その状況で、死刑の是非を論じる意味はないとして、死刑の実情、死刑囚、刑務官、教誨師、検事、弁護士、そして冤罪死刑囚と、死刑を取り巻く人々を追っていく。「民意」を前にたじろぐ政治家たち。そして論理ではなく情の部分でこの問題をとらえようとするとき、「同じ空気を吸いたくない」という被害者遺族の思いがずっしりとのしかかってくる。一方で、死刑を否定する遺族もいる。しかし、そもそも死刑は遺族のためにだけあるのか、また「論理」が顔を出しかかる。まもなく、光母子殺人事件の控訴審判決がある。