キュア 田口ランディ

キュア cure

キュア cure

電磁波を調節することで治療していた医師がその反動として宿命的に罹患した肝臓がん。生きることは何か、宗教的な平静な心境に救いを見出そうとする患者、与えるだけでなく求めることを通じて最後まで闘おうとする患者、自分を利用しようとした旧友の生物物理学者、自分同様バケモノの看護師、超未熟児。さまざまなかかわりを通して描いていく。星野が、科学的な説明のようで中途半端に断ち切ってしまい(おそらくさらに踏み込むと収拾がつかなくなってしまうのだろう)、斐川の不思議な能力がいま一つ得心できる状態にもっていってくれなかったのが、残念。