武士から王へ 本郷和人

武士から王へ―お上の物語 (ちくま新書)

武士から王へ―お上の物語 (ちくま新書)

武士のためだけの政権が武士以外にも思いを致すとき、統治者=王としての側面が出てくる。承久の乱で西日本に所領が広がったことが、農村支配で完結していた御家人が流通と貨幣に関わり取り込まれることになった。よりよく統治し、自ら責任を負う(時には命で贖う)戦国大名がその地域での「王」の端的な姿であり、一神教キリスト教一向宗)の横の広がりへの対抗が天下統一への志向となった。