ドリーミング・ホーム&マザー 打海文三

ドリーミング・オブ・ホーム&マザー

ドリーミング・オブ・ホーム&マザー

人を愛し嫉妬に狂い人を殺す大型犬と、伝染病と、その緊迫感が大都会の退廃との中で繰り広げられる物語、が、現実か夢かわからないパラレルワールドの落ち。亡き著者の最高傑作とはむろん言えないだろうが、非凡な作であることは確かだろう。巻末に生前の著者を高く評価していた池上冬樹の哀惜に満ちた解説が付く。