とてもいい一節があり、それだけでこの本を手にした価値があった。それに触れる前に、まずひとけなし。てっきり「ミッキー」は、ヒロインが最初に押し付けられた「
医療過誤」の親族か何かで、名医としての彼女と対決し、そのなかで日本女子
医大なりを叩いていく、という展開と思ったら、さにあらず。勝手な感想を言わせてもらえば安っぽく、
ライブドアをイメージさせるIT長者との恋愛ばなしになってしまった。残念。ラストも今ひとつ。さて、よかった一節とは、ヒロインの祖父が遺書で残した言葉「人は死なない。その人を思い出す人間がいるかぎり」。