なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか 今枝仁

なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか

なぜ僕は「悪魔」と呼ばれた少年を助けようとしたのか

反省していない根拠とされる手紙が、悪友の挑発に迎合したものであったり、強姦の計画性がきわめて怪しかったり、そもそも、犯人は父親からの激しい虐待を受け、精神的にきわめて幼い状態であったことなどは、十分に報じられてきたとは言えない。偏向報道と断じられるのもやむなしだろう。そして、不登校からうつ病、大検から地裁事務官、司法試験合格、検事から「ノキ弁」という波乱の人生コースをたどっている(しかも脳梗塞の持病がある)ことを明らかにしての著者の言は、とても重く受け止められるのだ。