生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す 藤藪貴治・尾藤廣喜

生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す―国のモデルとしての棄民政策

生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す―国のモデルとしての棄民政策

数年の間に次々に起こった餓死。当時の厚生省の123号通知(福祉事務所長などが保護の前に調査を行うことへの同意書の提出を申請者に求める)に基づく、福祉切り捨ての「モデルケース」としての「ヤミの北九州方式」。それを覆い隠してきた地域住民ネットワークによる共助を謳った「オモテの北九州方式」。しかし、その実績データのほとんどはねつ造であり、「国、自治体の財政負担が後退したままでの地域福祉がいかに空疎なものであるか」。やや共産党色を感じるが、大変、迫力と説得力があり、このまま北九州方式を広げ定着させてはいけないという危機感は強く持った。