ルーダンの憑依 ミシェル・セルトー

ルーダンの憑依

ルーダンの憑依

憑依した悪魔が憑依者の社会的地位と対応した位置付けだったり、いったん方向付けされると何人がかかっても結局は同じ方向に向かって走り出してしまったり、排除されるのは権力にとって邪魔な者だったり。憑依された者は罪には問われないわけで、これは欲求不満な尼僧が魅力的な司祭へのかなわぬ欲望の抑圧から生まれたヒステリーが、もともと狡知に長けた尼の演技が加わって始まり、絶対王政プロテスタントへの勝利を印象付けるために後押しした、というところなのだろうか。