戦場の聴診器 中田整一

ニューギニアで6回死んでいる、ということから365日24時間患者のために尽くす90歳の医師の生き方を描く。医師として、病院を経営し休日の診療屋往診にあたるだけでなく、高齢者福祉にも力を尽くし、さらに施設の建設に反対する現職を破って町長も2期務める。誠実というだけでなく、壮絶な人生。著者は戦争もののテレビドキュメンタリーで定評のあった元NHKディレクター。参謀本部の机上論や上の精神論で無謀・無意味な進撃が行われ、あたら人命が損なわれていく過程が描かれている。省みて自らの怠惰を戒める。