RURIKO 林真理子

RURIKO

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浅丘ルリ子という女優を通して、戦後日本の芸能史をたどっていく。憧れていた石原裕次郎、恋人だった小林旭、別れた夫・石坂浩二、愛人だった蔵原監督、美空ひばりとの友情と、きらびやかに彩られる。現在の愛人は、松井誠か。実名と匿名の違いの基準は、よくわからないが、こうした人名とエピソードがつづられるだけで読ませられるし、こういった素材を集めてこれるのも、作者の腕なのであろう。一本骨を通す効果として、旧満州時代の甘粕正彦の話が冒頭とラストに出てくる。小説、なのか。