テンペスト上・下 池上永一

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 上 若夏の巻

テンペスト 下 花風の巻

テンペスト 下 花風の巻

絶妙な外交感覚が求められる幕末の琉球を舞台に、絶世の美と卓越した頭脳を持つ女性が宦官として王宮に入り、激動する国際情勢に立ち向かっていく。女形となって妹を助ける兄、幼馴染の好敵手、仇敵であるはずの薩摩藩の武士との恋、そして怪しさ限りなしの清国の宦官から受ける絶望的な屈辱。まさに血沸き肉踊るという感じだが、それが下巻になると、ヒロインの人生はさらに複雑さを増しつつも、王宮の女同士の争いや天真爛漫な親友の言動で、喜劇の要素もふんだんに。傑作。