資本主義はなぜ自壊したのか 中谷巌

著者が「アメリカかぶれ」となった豊かさは、実は「ニュー・ディール」から「偉大な社会」にかけての政府による統制が働いていたのだがそれを見落とし、自由化を徹底すべきだと錯覚したのだそうだ。アメリカは宗教国家であり、自分たちの理念を拡大することで神からの正統性を獲得したとみなすメンタリティーを持つ。島国のゼロサム社会で、「三方よし」を商いの理想とした日本とは違うのだ。では、この希望なき貧困大国をどうするか。著者は還付金付き消費税を提案している。定額給付金などよりずっとよさそうだ。