落下傘学長奮闘記 黒木登志夫

落下傘学長奮闘記―大学法人化の現場から (中公新書ラクレ)

落下傘学長奮闘記―大学法人化の現場から (中公新書ラクレ)

東大を筆頭に、旧帝国大学との間の予算・情報の格差、軽視・蔑視にさらされる地方の国立大学。しかし、地方の教育・文化、そして医療を支えるのは地方国立大学しかないのだ。法人化によって学長の権限が高まり、事務局の意識は変わり、それでも変わらない教員たちと、頼りにならない国大協と、時には味方・時には敵となる文部科学省と闘う学長。しがらみのない落下傘だからこそできた部分もあろう。なによりも著者の前向きな性格が好感を持って伝わる。岐阜大学を始めとする地方国立大学が身近に感じられるようになった。